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第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2

「催淫成分入りの香。昔っからあいつらは使ってる物だと知っている。

排他的な所らしいからな、娯楽と子孫繁栄を兼ねてるのかもな」

斎はここから出た事が無い筈なのに、何故そんな事を知る事が出来たのだろう・・・?

何かからくりがあるのだろうか。

「あの一族の慣習が嫌になって、逃げてきた奴はある程度いる。

敵の反対は味方、ってな。

勿論、裏切らないように全て契約して使い果たしてやったけど」

・・・使い果たす、の意味は聞けなかった。あまりいい意味ではない想像は簡単についたので。

話をしている間に、斎は蝋燭から火種を取り、入れる。まだ残っているらしく、あの時のと同じ様に、一筋の煙を燻らせていく。

「1度目は、体内がこの匂いを覚える。2度目は、覚えた匂いに安心して、身体を開くようになる。セックスは本能だからな」

「そんなもの使わなくても・・・」

散々、してきたのだから、今更だと思う、と本来なら続けたかった。

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