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第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2

「さっき言っただろ。

『もう、待てない』と。

待つのは止めた。本来ならこの儀式はもう少し時間のある時ゆっくりやるべきものだが、時間がない」

「もう少し詳しい説明が欲しい」

既に、まな板の上の鯉、状態の私が、斎に何か言うのは、危険ではあるのだけど、

待てない → この状態、
の意味が全然分からない。

儀式って、何?
時間がないって、何?

「絢乃は俺と契約が出来ない、稀な人間だ。だか、俺と絢乃を無理矢理鎖で繋ぐ方法が実はある」

「つ、繋がれてますけど・・・?」

「物理的なモノじゃない。説明は後だ。早く儀式を済ませて、実感すれば解る事だ」

私と斎を繋ぐ・・・鎖?

斎は唯一ある机からある物を手にした。

「・・・それって」

見覚えがある。高野香奈が使っていたお香。

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