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第23章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 3

「斎が形振り構ってられなくなったって事。安息は今日までだろうな。

だから、今日は寝ろ。明日から、嫌でも巻き込まれる」

「均さん、も?」

「俺は、望んで渦に飛び込むから、別にってところだけどな」

手のひらが、目の上に置かれる。自然と目の前が暗くなり、必然的に瞼を閉じる。

元々寝ていたからか、ゆっくりと睡魔が体を覆って行く気がする。寝るのは簡単に思われた。

「均さん、おやすみ」

口に出した言葉は、少しろれつが回っていなかった。意識が睡魔に引っ張られているからか、寝られそう・・・。

「ああ、お休み」

思ったより優しい声が返り、安心してそのまま微睡む事にする。

その後、

「巻き込んだ責任があるからな」

という呟きは、既に寝ていた私にはもう届いていなかった。

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