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第23章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 3

「・・・均、さん?」

恐る恐る、声をかけてみる。あの通話は聞いて良かったのかどうか、解らなかったから、何も言わずに。

「悪い、目が覚めたか」

均さんはベッドに腰を下ろして、私の方を見た。

「大丈夫?」

今、帰らなくて大丈夫なのか。

帰った後、均さんは大丈夫なのか。

聞いてみたい気もしたけど、聞いていいか、躊躇してしまって、

抽象的な“大丈夫?“しか口に出せなかった。

「問題ねえな。絢乃ちゃんは何も心配する事は無え

・・・と言いたいが、1つだけは、無理かもな」

「・・・何?」

何だろう?

「もう、学校には行けないだろうな」

「え・・・?」

学校が敷地内にあるのに、行けなくなる?徒歩数分の場所なのに?

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