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第24章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 1

目覚めた場所がラブホテルだ、と気付くまでに、少し時間を要した。

隣で寝ている相手が均さんだというのも、違和感があった。

何時もなら、

あの屋敷の見慣れた一室で、

隣にいるのも斎なのだから。

ただ、

違和感はあっても、嫌悪感はやっぱり無かった。

そして、

屋敷に帰るのは、何度か屋敷を抜け出しているけど、今回が一番恐怖感が大きい。

「逃がしてやりたい気持ちもあるが、多分無理だろ」

屋敷に帰る為、流しのタクシーを探しつつ、ぽつりと呟く均さん。煙草を吸いながら歩くのは行儀が悪い、と思いつつも、今は注意する余裕も無い。

「的場がストーカーになるのは目に見えてるし、不用意に逃げれは、一族すら敵に回しかねない。アイツ等、頭固いからな」

灰色の煙が、風でもろに顔に向かってくる。この匂いは相変わらず好きになれない。

そして、私の今現在の気持ちと同じ色、だ。

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