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第24章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 1

屋敷の中を探索するのは日課ではあったけれど、暇過ぎ・・・という訳でも無かった。

夜は寝かしてもらえないから、寝る時間がおかしくなってる、というのもあるけど・・・。

漸く寝かせてもらえる朝方には、夢の中で“彼女ら“に会う。

『アイツ(多分斎の事らしい)大っ嫌い。均も何やってるのよ、あのヘタレ!!』と盛大に文句ばかりの羅刹(ラセツ)と、

『まあまあ・・・』と宥め役に徹する佐久良(サクラ)。

何故か、彼女らに話しかけることは出来ないのだけど、

脳内か夢の中か解らない奇妙な世界の彼女らの会話を聞き、起きるのは昼過ぎ。

昼の間は、屋敷の探索。屋敷の中は平穏過ぎるほど平穏。

ただし、あのお嬢様や理事長夫婦の部屋に近づく事は、絶対しない、という注釈つきだけど。

そして、夜になったら、斎が私を抱く。

日付も、曜日も、きちんとした感覚が薄れて行く日々を過ごしていた・・・。

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