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第24章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 1

「いろんな女と遊び歩いて、適当にやってても、レールから外してはくれない訳。

“落合“って名前すら、呪いたくなるくらいにさ。

で、そんな頃に、ここのお嬢様との見合い話。ま、普通の見合いじゃ無かったけど、そこはどうでもよくて、

結果、選ばれたのは俺。良かったよ、もうあの“落合“っていう家という名の檻から逃げ出せたから」

檻、という言葉で、何となく斎が彼を選んだ理由が解った気がする。

斎も、ここから逃げたいと願っているから、気持ちが解ったのかも知れない。

術が利かないと思いこんでいる斎が私を手放さないのも、斎自身が“自由“というものを渇望しているから。

「じゃ、またね」

言いたいだけ言い終えた落合先輩は、妻の待つ部屋に入っていった。

・・・こんなことを願うのは可笑しいのかも知れないけど、

落合先輩とあのオジョウサマが、上手く夫婦としてやっていけたらいいのに、と少し思った。

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