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第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2
深々と降り積もる雪が、窓から見える景色を、白一色へと変えていく。
・・・静か。
午後3時はおやつの時間、と言って持ってきた的場君。確かに時計は15時を指している。
永依さんが作ったらしいクッキーを食べながら、
音のない音に耳を澄ませてみるけれど、やはり音は無い。
何時もの様に朝まで抱き潰されて、夢と現の間をすり抜け、覚醒した午後には、
理事長夫婦やお嬢様は年始まで、旅行に出た、と的場君から報告があった。
ついでに、屋敷の者も、長めの休暇を斎様が取らせました、と言う。
屋敷に残っているのは、斎、的場君、永依さん、均さん、そして私。
人払いされた広い屋敷はとても静か。
ただ、これが“嵐の前の静けさ“であることは、殆ど知らされていない私でも、解る。
『数日後』の脱出に向けて、彼らは無用な人間を文字通り『厄介払い』したらしい。
・・・静か。
午後3時はおやつの時間、と言って持ってきた的場君。確かに時計は15時を指している。
永依さんが作ったらしいクッキーを食べながら、
音のない音に耳を澄ませてみるけれど、やはり音は無い。
何時もの様に朝まで抱き潰されて、夢と現の間をすり抜け、覚醒した午後には、
理事長夫婦やお嬢様は年始まで、旅行に出た、と的場君から報告があった。
ついでに、屋敷の者も、長めの休暇を斎様が取らせました、と言う。
屋敷に残っているのは、斎、的場君、永依さん、均さん、そして私。
人払いされた広い屋敷はとても静か。
ただ、これが“嵐の前の静けさ“であることは、殆ど知らされていない私でも、解る。
『数日後』の脱出に向けて、彼らは無用な人間を文字通り『厄介払い』したらしい。