テキストサイズ

contract

第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2

斎は・・・というと。

私を散々抱き潰した後から、姿が見えない。

脱出の為の最終確認でもしているのだろうか。

それにしても、とても静か。

冬休みで生徒がいない。そして、今日は12月22日、明日は天皇誕生日。世間は祝日。

そういえば、学校側からも、音がしない。

もしかしたら、学校側も人払いをさせた可能性はある。

学校の敷地外は、民家がちらほら点在するぐらいなので、大きな物音がするものがない。

静かだ。とても。

そして、静かすぎて、実は落ち着かない気がする。

私は、何をして、斎が解放される瞬間を待てばいいのだろう・・・?

コーヒーを口に含んだけど、その苦味が私の気持ちを落ち着かせてくれる事は、無かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ