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第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2

陽が落ちる頃には、風が窓を叩く音がしていた。

ガタガタと煩い。

窓から外を覗くと、風が雪を舞い上げている様に見える。

既に陽が完全に落ちて暗いから、はっきり見える訳じゃ無いけど。

厳密にはまだ雪は降っているよう。

12月末に、この大荒れの天気はある意味、異常・・・。

ガタガタ鳴る窓の音は、宴を思い出す。あの日の夜もガタガタと窓を震わせていた、気がする。

何か起こる日は、嵐・・・?

「絢乃」

呼びかけられた方を向くと、斎で、

現在、夜8時。この時間に斎に会うのは久しぶりじゃないだろうか・・・?

「どうしたの?」

「どうした、って?」

「何で、いるの?」

・・・変な会話。

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