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第26章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 3

空々しい嘘をつくものだ、と感心した、

その時。

グラグラと揺れる屋敷全体。否、この辺一帯。

「なっ」
「何がッ」
「要人様ッ」

羽虫がドア付近で動揺している。

「揺れて、爆ぜて、壊せ。私の自由は、直ぐ其処」

狼狽える羽虫に軽蔑の視線を送りながら、小さく呟く。

この揺れが、私の希望。

封印の、解除が始まった。



そして。

この人間側が予期せぬ事によって・・・。

「ああ、そこにいたんだね。絢乃。今から迎えに行くよ」

1階にいる、絢乃の気配を捉え、ニッコリ笑った。

---斎side 終了---

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