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第4章 case2 【貴方ガ欲シイ】 2

「何したのッ」

押し倒されたままは嫌なので、文句とともに起き上がった。的場君が離れたから簡単に起き上がれたというのもあるけど。

「用が済んだから帰るけど、姫様も早々に帰った方が良いよ」

私に興味が無くなったのか、そう言いつつ、部屋から出ようとドアを開けた、けど。

ドンッガチャッ
「だから、何したのよッ!!」

体当たりとともにドアを閉める。このまま帰すのは何故か癪だ。

「姫様、結構お転婆だなあ・・・」

「答えて。何したの」

「それは斎様に聞いた方が良いよ。オレは『飲み込ませろ』の命令しか聞いていない。・・・ただ」

「ただ?」

「姫様は斎様から逃れる術は無いだろうね。死ぬ事すら、許されない」

そう言いつつドアから私を退かせて、部屋を出て行った。

逃げられない?斎から?何故?

「・・・執着される意味が解らない」

ため息とともに吐き出した言葉。全く厄介なものに付き纏われてる・・・。

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