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第26章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 3

それ以上は何も言わなくなる。

「斎、いつきッ!」

そしてずしっと重みを増す・・・斎の身体。

抱き締め合っていたから、顔を見る事が出来てはいなかった。顔を見る為に、斎の身体を起こそうとするけど、

既にされるがままの人形の様に、抵抗も何も無く、

そのまま、傾いだ身体は・・・どさりと倒れた。重力のままに。

「いつ・・・き」

目は閉じられ、唇から吐息すらも洩れず、

ただそこにあるのは・・・。

「ちょっとまって、何よこれ。何なのよ、納得できる筈ないでしょ?結界が無くなったのたのなら、何処にでも行けるのに、何で動いて歩いて行こうとしないのッ!!起きなさいよ、動きなさいって!!血が出ている訳でも無いし、脚が無くなった訳でもないのに、何で・・・」

そこで、異変を感じた。斎の足先からキラキラと光る何か・・・そして少しずつキラキラが覆う場所が増えていく。

「なにこれ、何が」

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