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第27章 エピローグ

まさか、入るという選択肢が用意されているとは思わず、びっくりする。

「絢乃チャンが入りたいなら、だがな」



「・・・入らない」



少し迷ったけど、出した結論は、それ。

斎が亡くなり、消えた場所を見ても、悲しくなるだけで・・・。

まだ何も癒えていないのだから。

「行くか」

「・・・うん」

私はもう屋敷の方を見なかった。やるせない気持ちは燻っていたけれど、

あえて、目を瞑った。



私を覆った嵐のような日々は、こうして、幕を下ろすことになった。

所々残る、校舎内の記憶の中に住む斎に、悲しさを覚えながらも。

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