テキストサイズ

contract

第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

手を繋いだまま、連れてこられたのは寮ではなく、屋敷。

「あの、屋敷じゃなくて、寮に・・・」

流石に屋敷に入る姿を見られるのはヤバイと思う。

「表向きの咲楽斎は佐倉家の遠縁で、ここに住んでる事は知られてる」

「いや、私がここから入るのは・・・」

あのお嬢様、佐倉紗香に見つかると大変なことになる。それくらいは簡単に想像がつく。

「大丈夫。絢乃は俺の“彼女”だから」

「・・・・・・・・・は?」

開いた口が塞がらない。そして頭も働かなくなったらしい。日本語を聞いたのに理解できない。

「そんなデマ流したら、佐倉先輩が・・・」

あのお嬢様が、烈火のごとく怒る、以上の・・・恐ろしい出来事が・・・こ、怖すぎる。

思わず身震い。寒気?・・・悪寒?

逃げないとまずい気がする。下手すれば、嫉妬にかられて抹殺され・・・かねない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ