
温もり
第4章 母
あはは! とラディは愉快そうに笑って電気を消し、部屋を出て行く。無音で暗闇に閉ざされた檻の中、零九は恐怖に体が震えている事に気づき、幼い子供の様に震えている自分を奮い立たせようと自身を強く抱く。
俺がこうしていれば、ニニは無事で居られるんだ。俺が耐えればニニは解放される。俺はもう長くはない。だから、ニニに何かしてやれるのは、もう、こうしているしかないんだ。
零九は自分に必死に言い聞かせるが、ラディの不気味な笑いと彼女が簡単な事でニニを解放する訳がないと言う底知れぬ恐怖に、ただ震えているだけでは拭い去れるものではなかった。
怖くとも寝てしまおうと思った彼は固い床に横になって目を瞑るが、空耳に呻き声が聞こえて何度も目を開けてしまう。それでも見えるのは黒一色。本当にそれが空耳なのかも確認のしようもない。
何もされない事がこんなに怖い事だと、零九は思い知らされる。
暗闇が、無音が、孤独が、ただそれだけで自分に圧し掛かってくるようで、重量をもって押しつぶしてくる様で、息が苦しくなる。腕を動かす事も、足を動かすのも酷く緊張し、次第に体が強張り、固まって動けなくなる。
「ニニ……頑張るから……」
ガタガタと震えながら零九は何度も呟く。そうでもしないと、気が狂いそうなほどに怖かった。まだ何もされていないのに、それが怖くて怖くて仕方がなかった。
俺がこうしていれば、ニニは無事で居られるんだ。俺が耐えればニニは解放される。俺はもう長くはない。だから、ニニに何かしてやれるのは、もう、こうしているしかないんだ。
零九は自分に必死に言い聞かせるが、ラディの不気味な笑いと彼女が簡単な事でニニを解放する訳がないと言う底知れぬ恐怖に、ただ震えているだけでは拭い去れるものではなかった。
怖くとも寝てしまおうと思った彼は固い床に横になって目を瞑るが、空耳に呻き声が聞こえて何度も目を開けてしまう。それでも見えるのは黒一色。本当にそれが空耳なのかも確認のしようもない。
何もされない事がこんなに怖い事だと、零九は思い知らされる。
暗闇が、無音が、孤独が、ただそれだけで自分に圧し掛かってくるようで、重量をもって押しつぶしてくる様で、息が苦しくなる。腕を動かす事も、足を動かすのも酷く緊張し、次第に体が強張り、固まって動けなくなる。
「ニニ……頑張るから……」
ガタガタと震えながら零九は何度も呟く。そうでもしないと、気が狂いそうなほどに怖かった。まだ何もされていないのに、それが怖くて怖くて仕方がなかった。
