
温もり
第16章 十二日目
泣き出したニニ五を面白がり、研究員達は部屋においてある鉄パイプやレンチなどを持って檻を取り囲み、鉄格子をガンガンと叩く。怯えて逃げ惑うニニ五が近づくと殴る。零九が真ん中に誘導すると、今度は持っていた物を投げつけ、当たると手を叩いて喜んだ。
どれほどの時間、そうして的にされたのか解らないが、研究員達は飽きて部屋から出て行った。
二人の体はあちこち腫れ、出血し、集中して狙われたニニ五は歯が折れていた。
ニニ五の左目にレンチが当たったために、目の周りは腫れ上がり、鼻血も今だポタポタと流れている。
「毎日、こんな……?」
泣きながらニニ五は尋ねる。
言わなくても知っているので零九は答えず、無言で床に座った。零九も顔や背中は熱を持って疼き、ニニ五と同じく腫れているのだろうと自覚する。
「自殺しても無駄だ」
零九はニニ五にその事実を突きつける。
「居たんだ。何回も死のうとして、その度にラディに生き返らされたんだ」
絶望に自殺し、蘇えったと知った時の顔は忘れられない、と零九は付け足す。あの時の絶望の慟哭は、まるで断末魔の叫びだった。
どれほどの時間、そうして的にされたのか解らないが、研究員達は飽きて部屋から出て行った。
二人の体はあちこち腫れ、出血し、集中して狙われたニニ五は歯が折れていた。
ニニ五の左目にレンチが当たったために、目の周りは腫れ上がり、鼻血も今だポタポタと流れている。
「毎日、こんな……?」
泣きながらニニ五は尋ねる。
言わなくても知っているので零九は答えず、無言で床に座った。零九も顔や背中は熱を持って疼き、ニニ五と同じく腫れているのだろうと自覚する。
「自殺しても無駄だ」
零九はニニ五にその事実を突きつける。
「居たんだ。何回も死のうとして、その度にラディに生き返らされたんだ」
絶望に自殺し、蘇えったと知った時の顔は忘れられない、と零九は付け足す。あの時の絶望の慟哭は、まるで断末魔の叫びだった。
