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ブルースカイ

第9章 マサ

俺はタバコをくわえて、マサにも付き出した。マサは受けとるとタバコをくわえた。



「たまたま自分やっただけや。」



「だから、何が?」



「高校時代に俺も同じ事してもらったん。全然知らん人にや。」



マサは何とも言えない顔をしていた。



「やから、俺も誰かに同じ事してやりたかったん。その時はろくにお礼も言えんやったから、一種のその人へのお礼やな。」



「兄貴。名前なんて言わはるんですか?」



「聡や。」



「聡兄貴、格好良いっすわ。」



「格好良い事ない、単なる自己満足や。わかったら行き。」



「いや、兄貴。また会って下さいや。お礼したいし。」



「お礼できんやった、俺に対する当て付けなんか?」



「いや、俺が兄貴を気に入ったん。」

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