一人ぼっちの姫
第16章 裏切り
「お帰りっ」
なるべく心配をかけぬよう、笑って迎えた。
「ただいま」
アリナスとは、はっきり言って顔を合わせづらい…
それなのに、
ふと顔を上げたときアリナスと目が合ってしまった…
「あっ…」
言葉が思いつかない…
どうしよう
アリナス「…ルイ様も、キルトさんのことが好きだったんですね…」
も…
唐突にそう聞かれれ、驚いたが答えた
「好きよ、あの人は私の生きる支えだもの」
キルトがいるから今の私がいる
キルトがいなければこんな気持ちを知ることはできなかった
キルトがいる限り私はキルトに少しでも近づけるように歩き続けている
アリナス「そうですか…、でも私諦めませんから…
いくら相手がルイ様でも、これだけは譲れません!!」
「…私だって負けないわ!」
アリナス「それじゃあ私たち、ライバルですね!」
ライバル…
「…そうねっ」