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一人ぼっちの姫

第20章 君のぬくもりに触れていたくて…



どれだけ時間がたっただろう。

いつの間にか眠ってしまっていた…



アリナス「目が覚めたようですね」


「アリナス…」


アリナス「もうすぐで、到着しますよ」


「そう。これでいったんは安心ね…」


アリナス「ルイ様、キルトさんは隣国へ着き落ち着けば国へ戻られます。」


「わかってる。」


一人でも多くいたほうが勝ち目はあるかもしれないこの戦争…。

だけど、


離れたくないという気持ちが胸を押しつぶす。


【行かないで…】


そういえばキルトはずっと一緒にいてくれるだろう…

でも、それは私のわがまま。



私のわがままで、国を危険にさらすことなんてできない。


でも、もしキルトにもう二度と会えなくなったら…


嫌な想像が、頭をかき回す。



アリナス「…ルイ様!?」


「あっ…」

アリナスの声で私は我に返る。


アリナス「大丈夫ですか?顔色がすごく悪いですよ…」


「平気よ。

ねぇ、アリナス。」



アリナス「なんですか?」


「今日一日だけ、私とキルトを二人にしてくれないかしら…」


アリナス「いいですよ。しっかり、自分のお気持ちをぶつけてきてくださいね!」


「ええ!!」


私は、覚悟を決めなければならない…。

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