或空の群青
第1章 クリームソーダ
そこまで早く動いていた
私の指はピタッと止まる。
ひくんひくんと
種とその周りが
動いているのが分かる。
指を抜きたい……
そっと手を動かすと
その種にまた軽く
指が当たってしまい、
私はぴくっとしながらも
なんとか手を取り出した。
目の前にある指は
私の液体で光り、
とても嫌な気分になった。
ベッドからしばらく
抜け出せずに
そのままだらーっと
下半身の力を抜いていた。
ふと窓の外を見ると、
綺麗なクリームソーダ色の
空が広がっているのが
私の目に入ってきた。
昔から空の色は変わらずに
美しいままなのに、
私はすっかり欲まみれ。
空があまりにも
青く透き通ったから、
私のしていることが
ますます汚なく見えた。
そして一粒、また一粒と
意味の分からない
涙をしばらく流していた。