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いつもそこには、君がいて

第2章 2 水曜日


 洗ったスライサーの部品を組み立てていると、売り場から菊川くんが入ってきた。

「フジコさん、売り切りも終わりましたよ。手伝います?」

 菊川くんは夜が近づくと元気になるようで、今日一番のいい顔つきをしている。

「ううん、いいよ、ありがとう。それよりさ、来月度のMD計画書、菊川くん作ってくれない?」

「はい? 俺がですか?」

 年齢的には、もうマネージャーになっても全然おかしくない菊川くんだが、なんせデスクワークが苦手なもので、こうしてこまかな販売計画を立てさせようとするだけで、まるで鳩が豆鉄砲をくらったような顔をする。

「そうだよ」

「えーっ、マジっすか……」

「ファイルの場所くらいはわかってんだから、ぶつぶつ言ってないでやりなって」

 部品を組み立て終わって、最後の水しぶきを拭き取りながらそう促すと、菊川くんは頭をポリポリ掻きながら渋々デスクに向かった。

 既に半分帰る気持ちでいた菊川くんにはちょっと悪いことをしたかな、とも思う。

 でもね、そろそろ……


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