いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
精肉のバックヤードには、もう誰も残っていないのに蛍光灯だけがジリジリとうるさく光を放っていた。
日中は他の社員やパートさん達とひしめき合いながら騒々しく作業するここも、夜もこんな時間になると“ひとりきり”をうるさいほどに演出してくる静寂に包まれる。
自分のデスクにうなだれるように両手をつくと、ガサついた指先が見えた。
この頃はハンドクリームを塗るのさえ億劫で、ひびが切れそうなほどになっている。
なんか、もう、疲れちゃったな……
そうやってまたひとつ、深いため息をついたその時だった。