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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


 本当は納得なんかできてなかったこと、
 福田さんや菊川くんに八つ当たりをしたこと、
 泣いてしまったこと、
 やっぱりこの仕事が好きだということ。


「ふーん」

「だから、ここでまだ使ってもらえませんか?」

 嫌な沈黙……

 でも、引き下がろうなんて気持ちはさらさらなかった。

「うーん、どうすっかなぁ……」

「お願いします」


 ちょっとの間を置いて、三上さんはゲラゲラ笑い始めた。

「あ〜、おかしかった。お前全然変わんねぇんだもん」

「はい?」

 第一声で叱られると思っていたから、なんだか拍子抜け。

「相変わらず素直じゃねぇなぁ、ってこと!」

 三上さんは、数字の落ち込みが続く状況に私が悩んでいたことは、とっくにお見通しだったようだ。

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