いつもそこには、君がいて
第3章 3 金曜日
「それだけお前を大事に思ってるってことだろ」
さっきまで感じてた嬉しさやら恥ずかしさとは、また少し違う気持ち。
なんだろう。
鼻の奥がツンとする。
にわかに湧いたどうしようもない心細さに、ついこんな言葉がでてしまった。
「三上さん? 私、どうしたらいいんですかね」
「は?」
福田さんとはこれから物理的な距離ができるわけで、もし仮に福田さんの気持ちを受け止めて付き合うことになったとしても、いわゆる“遠距離”になる。
でも、今の私は仕事で手一杯で、福田さんに迷惑をかけるのは目にみえるようだ。
それに、しばらく恋愛から遠のいていた私には、“ただ伝えたかった”という福田さんに対して、正直なところ何をどうすればいいのかすらわからない。
「お前、何考えてんの?」
「何って」
「お前はどうなんだって」
「どうって、そんなこと急に言われても……」
受話器越し、三上さんの咳ばらいが私のモソモソした声を掻き消した。