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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


「あ? 何が“急”だよ。昨日の今日で“はい、好きになりました”っていうのとはわけが違うんだ。あいつの2年、なめんなよ」

「2年って、だって……」

「まったくよ、なんでもかんでも言い訳ばっかりうまくなりやがって。お前、恋愛すんのが怖いだけだろ」


――怖い……?

 確かにそうなのかもしれない。

 うまく行かなかったらどうしよう。

 失敗なんかしたくない。

 そんなことばかりが先にたって、福田さんの気持ちを受け止められない理由を探していただけなのかもしれない。


「お前さ、このままであいつが居なくなってもいいわけ?」

「え?」

「話、今までいっぱい聞いてもらったんだろ? いっぱい励ましてもらったんだろ? そんな男とこのまま離れても、お前は平気でいられんのかって言ってんだよ!」

 耳から入る三上さんの威嚇的な大声で私の脳裏に呼び覚まされたのは、不思議にも福田さんの顔だった。

 穏やかで優しい、いつものあの笑顔……

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