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完熟の森

第12章 寂しい大人

翌日、雫に鍵を返しに行くと雫は仕事中だったらしくパソコンにかじりついていた。


「鍵、持ってきました」


「千晶君、夕べも面倒掛けちゃってごめんね」


そうあっさり言われてしまった。


雫は何やら仕事が忙しいのかちっとも僕の方を見なかった。


僕は夕べの話をしてやりたかったし、酒の事も注意してやりたかった。


だからソファーにドカッと座って、前回読みかけの本を読み出した。


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