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完熟の森

第12章 寂しい大人

目が覚めると雫はもうパソコンをしていなかった。


ただ窓際でグラスを傾けながら緑を眺めていた。


今にも泣き出しそうな横顔なのに美しく見えた。


「雫さん…」


「起きた?」


「そのグラス…酒ですか?」


雫はバツが悪そうな顔をした。


「懲りないですね」


「飲まないといられない時もあるのよ」


「何日も?」


「そうよ…」


雫はグラスに入った残りの酒を飲み干した。


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