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完熟の森

第14章 雫の別れ

雫は窓から車が去るのを確認してから僕を見た。


「ありがとう。合わせてくれて。ちょっと格好良かった」


「良かったんですか?」


「終わらせないと楽にならないから」


雫は切なく笑った。


雫の頭を撫でてやった。


「頑張りましたね」


そう声を掛けてやると、今にも泣き出しそうな顔で僕を見た。


僕は雫を抱き締めた。


強く。



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