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完熟の森

第22章 雫の年

「雫…好きだよ」


僕がそう言うと雫はプーッと吹き出した。


「やっぱり二度と言わない」


「ごめん。ちょっと照れちゃった」


そう言って僕の方を向き、胸に顔を埋めた。


愛しい雫…君が望むなら僕はいくらだって、君に甘い言葉を言えるよ。


でもどれもお手軽で嘘っぽく感じるから言わないんだ。


僕の雫への想いはもっと深く狂おしく切なく、この気持ちに名前が見つからない。


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