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完熟の森

第24章 桜

「あっ千晶、おかえりなさい。
ねえ、凄く綺麗でしょ」


「ああ、本当にキレイだ…」


僕は雫を見つめて言った。


でも雫は分かってない。


僕が雫にキレイって言った事。



僕はその時、来年も再来年も十年後も、桜を見ている雫は美しく、僕はその姿を見届けるだろうって思った。


『ずっと』も『永遠』も信じないけど何故だかそう感じたんだ。


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