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完熟の森

第24章 桜

ライトアップの設置が終わると、空はかなり暗くなりかけていた。


「雫、出来たよ」


僕が部屋へ雫を迎えに行くと、雫は持ち切れない程のお弁当や水筒やワインを抱えようとしていた。


「雫、作り過ぎだろ」


「だって、千晶はいっぱい食べるから」


僕の事を思って作ってくれたのが嬉しくなる。


「持つよ」


僕は敷物用のブランケットを首に巻き、お弁当と水筒を持ち、雫はワインとグラスを持って桜の木へ向かった。


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