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完熟の森

第27章 雫と僕

でも、時々不安になる時がある。


二人でベッドで眠りにつこうとしている時、ふと、横にいる雫を見ると、
サイドボードにある花瓶の花を憂いを帯びた目で見つめている。


「雫?」


僕は少し不安げに声をかける。


雫はゆっくり振り向き、小さく笑う。


それは切なく美しくもあった。


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