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完熟の森

第27章 雫と僕

『世間はそんなふうに見ないわ』


母さんの言った言葉が頭によぎった。


悲しい現実を突きつけられた僕は気が付くと大川まで辿り着いていた。


自転車を降り、橋の真ん中でぼうっと川を見ていた。


しばらくすると携帯が鳴った。


雫のメールだ。


『千晶、終わったから帰って来て下さい』


僕は急いで、自転車に乗り、森へ向かった。


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