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完熟の森

第29章 最高のシチュエーション

浜辺に着いた頃はやっぱり夕暮れ時だった。


この海は去年僕が雫を抱き締めた海だ。


あれから一年が経つんだな…と感慨深くなった。


僕達は浜辺の隅にあった木陰にブランケットを敷き、羽織っていたシャツを脱いだ。


そして座りもせず波打ち際まで行って海の冷たさを味わった。


真夏の海は夕方でも、少し温く感じた。


雫がふざけて僕に海水を掬いかけた。


僕の服は少し濡れてしまった。


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