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完熟の森

第32章 祭り 1

「雫、俺そんなに違う?」


金魚すくいの屋台から離れて歩きながら雫に聞いたら、雫はクスクス笑ってるだけだった。


また何人か知ってるヤツと会ったが誰も僕に声を掛けてこなかった。


「雫、知ってるヤツみんな俺に気づかない」


「色男だからよ」


雫はまたクスッと笑った。


たまたま、子供の玩具を並べている屋台に小さな手鏡がある事に気づき、近寄って何気に覗き込んだ。


鏡には顔しか映らず、いつもの見慣れた僕の顔でガッカリした。


雫は僕の様子を見てまたクスクス笑ってた。


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