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完熟の森

第32章 祭り 1

僕の火照る体は収まらなかったけど、思考回路はわりとしっかりしていた。


「そんな事考えてたんだ。気にする事ないのに。
理音はあの富岡とデキてたんだ。
僕達がこうなる前から…」


まあ、嘘ではないし、雫を安心させたかった。


「そうなの?」


僕の顔を覗き込む雫が可愛い。


「そうだよ」


僕が微笑むと雫に笑顔が戻った。


僕は堪らなく嬉しくなる。


最悪の気分はどこかに飛んだ。


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