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完熟の森

第34章 守りたい

お盆になると、雫は墓参りに行くと言い出した。


僕は勉強してたけど気分転換したかったし、散歩がてら雫について行く事にした。


雫の向かった先の墓は森と山の間の少し木が少ない開けた場所の一角にあった。


「ここは私の両親とご先祖様のお墓」


雫は酌んできた水を柄杓で掬い、せっせと墓石を磨いた。


墓石はみるみる艶を出し、太陽を美味しそうに浴びていた。

僕は墓の周りの草を毟った。


結構サッパリした。

「千晶は良い子ね。有難う」


雫は花を添えて、線香を焚き手を合わせた。


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