テキストサイズ

完熟の森

第43章 ガールフレンド

あれ? あの時のお姉さんって…


『お姉さん、お家どこ?』


『森の中よ』


僕は可笑しくて笑い出した。


あれって雫じゃないか!


僕が初めてドキドキしたお姉さん。


優しくて繋いだ手が柔らかくてあったかくて離せなくて…


僕はまた胸が苦しくなった。


小さなトンネルに無理やり寝転んで、蹲る。


苦しくて、可笑しくて、苦しくて…


どうしようもなく切なくて雫に会いたくて…抱きしめたくて、代わりに自分を抱き締めた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ