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完熟の森

第8章 大人

「随分、年上の人なんですね。雫さんの彼氏」


「彼氏じゃないわ。あの人奥さんいるもの」


雫はそう言いながら、窓の外に目をやった。


その横顔が悲しげでキレイだった。


不倫か…


大人は大変だな。


僕は何も答えなかった。


どう答えていいか分からなかったから。


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