テキストサイズ

完熟の森

第8章 大人

僕は話題を変えた。


「雫さんの言う通りでした」


「え?」


何の事か分からなかったようだ。


「僕と彼女の事…」


そうポツリと言うと、ああ、と言う表情をした。


そして、真っ直ぐ僕を見た。


「千晶君はちゃんと、一人だけを好きでいなきゃ駄目よ。
同時に二人も好きになるような大人にはならないでね」


雫は悲しげに笑った。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ