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狼飼ってます!

第1章 狼飼います!

狼を外に連れて行き、裏山の近くまで行った。

もう、外は暗くなっていて、月の明かりが無いと見えない程になっていた。

「さ、行きなよ。家族が心配してるかもしれないよ?」

人間の言葉が理解出来ているかわからないけど、狼はじっと私の目を見つめてなかなかその場を動かなかった。

先程の殺気のある目とは違って、私を伺っている感じだった。

そっと、狼を撫でようとした所で手が止まる。

「…ごめんね。」

私はその場を離れて家に帰ろうとした。100m程進んだ所で、ふと後ろを振り返ってみた。

狼はその場を全く動いておらず、まだこちらをじっと見つめていた。


母がおかしいなら、私もその母の娘…


「おいで。」


私は家に戻った。

狼を連れて。

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