
あたしは誰のもの?
第18章 "あたしは誰のもの?"
「千紗さん!」
「ん?」
手を動かしながら一瞬だけ冷華の顔を見た
「空港まで見送りに行かせてください!」
「え?どうしたの?急に。見送りなんていいよ」
「だめ・・・?」
「だめじゃないよ!ただ数分の見送りのためだけに空港までなんて」
帰る支度ができたのか、千紗は冷華と向かい合う
そして言葉を続けた
「そんなの足の無駄じゃない、ね?」
そんなことを言った千紗だがその表情はとても嬉しそうだった
「無駄じゃないよ・・・・・あたし、最後まで・・・千紗さんが帰ってしまうまで!ほんの数秒でも・・・千紗さんと一緒にいたいッ!!」
冷華の言葉に少し驚く
「そん・・・うちに告白みたいな・・・あーーーーー!!もう!!ほんっと冷華は可愛いなぁ」
まるで告白されたような気分になる
思わず顔が熱くなってしまう千紗
「ありがとなぁ・・・冷華」
「・・・ふぅッ・・・・!」
涙がポロポロと出てくる
「うち・・・あのとき冷華に話しかけたよかった・・・」
冷華はうちの可愛くて大事な後輩で・・・親友で・・・そして"家族"だ・・・・
