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ランタンチーク

第1章 華の弟

『……っ……っ……っあン』

私の手足は椅子に縛りつけらていた為、抵抗は無用だった。
質素な黒いブラの紐はだらしなく肩に落ち、何らかの拍子でずれたのか、胸の突起が露になっている。

『電話がなったら、俺に伝えろ』

その言葉には冷徹な意味が含まれている。

下着姿で椅子に縛りつけられている私には、身動きができない。
その中でも、大事なところに挟まれ絶え間なく小さな揺れを刻んでいるケータイはぐっしょりと、不本意な密で覆われていた。

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