
人妻と、イケないこと。
第1章 はじまり
「…ふう、」
(やっと片付いた)
今、私はつい先日引っ越したばかりのマンションの一室にいる。
がちゃっ
「梓ー?そっちも終わったか?」
「あ…亮太さん」
ドアを開け入ってきたのは私の夫の笠原亮太さん。
私の2つ年上の26歳という若さで部長を勤める凄い人。キリリとした切れ長の目に、高い鼻、ほんのり紅い薄い唇。文句のつけようがないくらいのイケメンだ。
「こっちも終わったところですよ」
「そうか。」
亮太さんはニコリ、と微笑むと続けて
「今日からここが俺たち2人の新居だな。」
嬉しそうに言った。
「はいっ」
亮太さんが嬉しそうだと、私も嬉しい。
