
ファースト・ラブ
第2章 第1章
あたしが席に着くとすぐに唯から手紙が回ってきた。手紙には“ずいぶん遅かったね。南くんとなんかあったんでしょ ?? 何があったの ??”
と書かれていた。
ちょっと遅くなっただけなのに……相変わらず鋭いな。
唯の感はすごく鋭い。あたしが単純なせいか、あたしの様子が少しでもおかしいとすぐに
探りを入れてくる。
仕方なけほんとうのことを手紙に書いた。
“南を怒らせちゃった…。ちゃんと謝ったけどね !! すごいびっくりしちゃった。”
そう書いた手紙を、先生が黒板に何か書いていれ間に素早く回す。
それを読んだ唯が驚いた顔であたしの方を向く。
授業が終わると、唯が真っ先にあたしのところに走ってきた。
「どうして、あの南くんが怒ったの !? 沙菜、一体何をしたの!?!?」
あまりに唯の形相が激しかったのであたしは息を飲んだ。
「え…、うん。えっとねー…」
あたしはさっきの南との出来事を全部話した。
すると唯は今朝と同じようにまた目を丸くして言った。
「え !? 沙菜はなんで南くんが怒ったのかわかんないの ?? 本気で !?!?」
「本気でわかんないよ…。……なんで ?? 」
「マジなのか…。ウソでしょ……」
