ファースト・ラブ
第2章 第1章
「……別に、モテるとかモテないとか関係ねーじゃん。誰が誰を好きかなんて自由なんだからさ。」
直がそう言いながら再び校舎に向かって歩き始めた。
あたしは慌てて直の後を追いかけた。
「うん、そうだよね。変なこと言ってごめん。……ところで直の好きな人って誰なの ??」
「えっ…!?」
あたしが気になっていたことを直に訊くと、
直はすこし目を丸くしてあたしのほうを見た。
いつもクールで冷静な直がこんな顔をするなんて珍しいことだ。
「あ…、ごめん! ちょっと気になったから聞いてたみたんだけど、イヤだったら教えてくれなくてもー…」
「いつか。」
『教えてくれなくてもいいよ』とあたしが言おうとしたとき、直に話を遮られた。
「いつか、絶対に教えるから。それまで待ってくれるか ??」
直があんまり優しく微笑みながらそう言うものだから
あたしの胸が高鳴る。
「あっ、うんっ!!! 約束だよ◎♪」
「うん。約束。」
「沙菜~★*゜おはよ~っ!!!!」
直と話し終わるとすぐに誰かがあたしの肩をポンと叩いた。
「唯 !! おはよ~♪♪」
それは、あたしの大親友の唯だった。
唯はあたしにとって親友であり、お姉さんであり……もう半分家族ってくらい
大好きな存在だ。