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おいしい関係

第22章 21

「由良、肩の力抜いて。力入ってると姿勢悪くなって切りにくいよ。」


真田さんが肩越しから、言葉をかけてくる。


「わかった」


肩の力を抜くかぁ‥‥学校でも良く言われている事だった。


私は、深呼吸してから再び切り始める。



「う~ん‥まだ固いなぁ~」

「真田さん‥力を抜いて切るって感覚がよく解らないかも‥‥」


まな板に向かう緊張感からか、私は今だにリラックスして包丁を奮えた事がない。
だから、肩の力を抜いて切る感覚が解らないのだ。

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