テキストサイズ

ガーディスト~君ヲ守ル~

第11章 あなたを守りたい

「う…うるさい…黙れ!!わかったようなことを言うな!!」




祐司は右足に刺さったままのナイフを握った。顔を苦痛に歪ませながらも、力強く引き抜く。




「ぐ…あ!!」




引き抜かれた場所から、ドクドクと血が流れ出る。祐司は血だらけの手で、ナイフを持ち直した。
そして、壁を支えにして立ち上がる。



「…いいさ、この体がなくたって…ボクはユウジくんと生きていける…もう、ボクは1人でさ迷うことは…ないんだ…」



肩で息をしながら、祐司はニヤリと笑った。



「…めて…やめて…」



ずっとそばで見守っていたつぐみが、声を出す。



「村上さんを連れて行かないで…!」




祐司は横目でつぐみを見た。
その一瞬の隙をつき、圭吾は素早く祐司の右腕を掴みひねりあげる。




「…っ!」




カラン、と祐司の手からナイフが落ちた。
それを護が素早く拾い上げる。




圭吾はそのまま背後にまわり、右腕を後方に捻りあげた。




「くっ…」




悔しい表情を浮かべる祐司に、護は左足を引きずりながら歩み寄った。
そして険しい顔で胸倉を掴む。




「てめぇ、いい加減にしろよ!!さっさと起きて決着つけやがれ!!」




護は祐司に、いや祐司の体の中にいる『祐司』に向かって叫んだ。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ