ガーディスト~君ヲ守ル~
第1章 出会い
俺の名前は、
村上祐司(むらかみゆうじ)。
とある雑居ビルの3階の、(株)乙姫という会社で働いている。
ボディーガードだ。
「祐司くん、どう?仕事は慣れた?」
俺の目の前に座っている、朝比奈圭吾(あさひなけいご)先輩が話しかけてきた。
「あ~…微妙ですね」
俺はデスクで報告書を記入しながら答える。
「まだ働いて3ヶ月だからね…わからないことがあったら言ってね」
圭吾先輩はメガネをクッとあげて、にっこりと笑った。
「お~い圭吾、あんま甘やかすなよ~」
圭吾先輩の隣のデスクに座って、同じく報告書をパソコンで作成している、
白石護(しらいしまもる)先輩が口を挟んできた。
「おい、祐司。お前、まだパソコン使えねーのかよ?」
「…機械苦手なんですよ」
「…ま、いーけど。16時までには終わらせろよ、依頼人来るから」
護先輩はそう言って、パソコンを閉じた。
「ちょっと一服してくるわ」
(あ…俺も…)
一瞬そう思うと、前方から圭吾先輩の視線が突き刺さる。
メガネの奥の瞳が怖い…。